β-カリオフィレンとは?原料・期待できる効能からCBDとの違いまで詳しく解説
最近じわじわと話題になっている「β-カリオフィレン」という成分をご存じですか?
β-カリオフィレンは、近年さまざまな製品に使用されているCBD(カンナビジオール)に似た効果があるといわれています。
実際はどのような効果があるか、気になっている方もいるでしょう。
そこでこの記事では、β-カリオフィレンに期待できる効果はもちろん、原料や安全性についても詳しく解説します。
β-カリオフィレンとは何か?
β-カリオフィレンとは、植物の精油成分に多く含まれる天然由来成分のひとつで、テルペンと呼ばれる物質に分類されます。
β-カリオフィレンは経口摂取による抗炎症作用や抗酸化作用など、機能性食品成分としてさまざまな効果があります。
2023年にはβ-カリオフィレンを吸入することで、ニコチンのダメージを受けて硬化した血管がしなやかさを取り戻すという研究成果が発表されました。※
※参考: Experimental and Therapeutic Medicine. 25(1), 57, 2023.
まず、β-カリオフィレンの原料や安全性を見ていきましょう。
原料
β-カリオフィレンは、自然界において幅広く存在する精油成分の一種です。
特に下記のハーブに含まれています。
- クローブ
- 黒胡椒
- バジル
- オレガノ
- シナモン
- ホップ
- コットン
- ローズマリー
- ラベンダー
安全性
β-カリオフィレンは、欧州食品安全機関(EFSA)が食品への香料としての使用を認可している成分です。
EFSAは、1kgあたり5mgまでの使用で、安全であると結論づけています。
また、β-カリオフィレンは香料として化粧品にも配合されている成分です。
化粧品原料としての安全性は、下記のように示されています。
- 濃度4%以下で皮膚刺激性・アレルギー性はほとんどない
- 光刺激性・光感作性はほとんどない
通常の使用の範囲内であれば、化粧品への利用も安全性に問題がないと考えられています。
参考:食品安全総合情報システム(内閣府食品安全委員会)、日本化粧品工業会
β-カリオフィレンの効果・効能は?
β-カリオフィレンに期待できる主な効果・効能は、以下の3つです。
1. 血管の柔軟性が回復
2. 睡眠改善
3. ヒーリングや抗うつ・抗不安
これ以外に、重大な疾患の予防効果があるとの指摘もあります。
続けて詳しく解説しましょう。
血管の柔軟性が回復
2023年、β-カリオフィレンを吸入することで、ニコチンのダメージを受けて硬化した血管がしなやかさを取り戻すという研究成果が発表されました。※
※参考: Experimental and Therapeutic Medicine. 25(1), 57, 2023.
このことは、「β-カリオフィレン」が不健康な生活習慣からくる血管リスクの解決策の1つになる可能性を示しています。
ニコチンだけが投与された時の血管に比べて、ニコチン投与とあわせてβ-カリオフィレンを吸入した時の血管は、構造が破壊されずに正常構造が維持され続けることが別の研究結果でも確認されました。※
※参考: Biomedicine & Pharmacotherapy. 153, 113423, 2022.
血管は、酸素や栄養を身体中に届けるために欠かせない器官です。
β-カリオフィレンの助けによって血管が健やかな状態に戻れば、酸素や栄養などのめぐりが良くなることが予想されます。
我々は、酸素や栄養が身体中にいきわたる状態=心身ともに健康になる土台ができた状態にすることを、β-カリオフィレンのヒーリング効果と呼んでいます。
出典:Experimental and Therapeutic Medicine. 25(1), 57, 2023.
睡眠改善
最近の研究によってβ-カリオフィレンには睡眠改善の効果に期待がもてることがわかっています。
とある実験でβ-カリオフィレンを投与されたマウスは、睡眠に至るまでの時間が短くなり、睡眠時間自体が長くなることが確認できました。
この結果から、β-カリオフィレンには睡眠を促進する可能性があると示唆されています。※
※3 Progress in Neuro-Psychopharmacology and Biological Psychiatry. 38(2), 276-284, 2012.
ヒーリングや抗うつ・抗不安
β-カリオフィレンは、その他の効果も注目されています。
まず、自社実施の調査では、β-カリオフィレンを吸引した人のうち92.5%が「気分転換を実感した」と回答しました。
性別による大きな差はなく、女性では91.9%、男性では92.9%が効果を感じたと答えています。※
※調査期間:2023年07月04日~08月6日
調査実施機関:株式会社ロックビル
調査対象:男性56名 女性37名
調査方法:2週間DR.VAPE Model 3を使用しアンケートにて回答
さらに、β‐カリオフィレンの抗不安作用および抗うつ作用に関しても近年研究が進められています。
β‐カリオフィレンをマウスに投与した実験では、不安・うつに関する行動の改善が確認されました。
※Physiology & Behavior. 135, 119-124, 2014.
また、それ以外にも「認知症」や「がん」といった重篤な病にも効果を与える可能性が示唆されはじめています。
β-カリオフィレンは私たちの健康や気分転換にどのように貢献するのか、今後の研究結果が注目される成分です。
参考:※Journal of Natural Medicines. 69(1), 123-129, 2015. ※ Pharmacological Reports.75(5),
β-カリオフィレンとCBDの違いは?
β-カリオフィレンとCBDは、どちらもカンナビノイド系と呼ばれる分類の成分です。
似たような効果がある成分ですが、原料や体への安全性、食品安全機関からの評価などには違いがあります。
CBDは大麻草を原料とし、違法性のないところだけを抽出した成分です。
CBDの効果はまだ完全には解明されておらず、身体への作用が不明瞭な部分もあります。
欧州食品安全機関(EFSA)からは安全性への懸念も指摘されているのが実情です。
またCBDを使った製品から、大麻由来の有害な成分(THC)が混入しているケースも確認されています。
参考:食品安全総合情報システム(内閣府食品安全委員会)、「大麻規制のあり方に関する第1回及び第2回の議論の振返りについて 第3回大麻規制検討小委員会」(厚生労働省医薬・生活衛生局 監視指導・麻薬対策課)
まとめ
β-カリオフィレンは安全性が認められており、さまざまな効果に期待できる天然由来の成分です。
抗炎症作用、血管保護効果、睡眠の質の向上、さらには抗うつ・抗不安効果など、心身の健康に貢献する可能性が秘められています。
β-カリオフィレンはスパイスや精油に含まれる成分のため、簡単に取り入れられるのも魅力のひとつ。
手軽なヘルスケアに関心がある方は、β-カリオフィレンを取り入れられる製品や今後の研究にもぜひご注目ください。