寝起きが悪い人の特徴を解説!朝起きられない原因は?

寝起きが悪いと一日のスタートがスムーズに切れず、日常生活にも影響を及ぼします。
起きられない原因として考えられるのは、主に睡眠不足などの生活習慣ですが、場合によっては病気が関係している可能性もあるため注意が必要です。
本記事では、寝起きが悪い人の特徴と原因について解説するとともに、改善に役立つ具体的な対処法を詳しくご紹介します。
朝、スッキリと目覚めたい方はぜひ参考にしてみてください。
寝起きが悪い人の特徴

寝起きが悪い人には、以下のような傾向が見られます。
以下の症状の中で一つでも当てはまるものがある場合は、根本的な原因を探ってみましょう。
- 目覚ましが鳴っても何度も止めてしまう
- 目が覚めてもなかなか起き上がれない
- 寝起きの機嫌が悪い
- 寝起きは元気が出ない
- 寝起きから疲れを感じている
目覚めが悪い原因

気持ちよく起きるためには、目覚めが悪い原因の把握が大切です。目覚めが悪くなる主な原因として、次のようなことが挙げられます。
- 睡眠時間が足りていない
- 寝具が体に合っていない
- 遺伝的要因
- 年齢的な影響
睡眠時間が足りていない
睡眠不足は、目覚めが悪くなる原因の一つです。睡眠が足りていないと、体と心が十分に回復せず、寝起きが悪くなります。
睡眠不足を引き起こす原因としては、以下のようなものが考えられます。
不規則な生活リズム
不規則な生活で就寝や起床時間がバラバラになると、体内時計が外部の光や生活パターンと調和できなくなり、リズムが乱れて睡眠の質が低下します。
ストレス
夜は、副交感神経が優位になって体がリラックスし、自然に眠りにつきやすい状態になります。しかし、ストレスによって自律神経のバランスが乱れると、体を活動的にする交感神経が過剰に刺激され、興奮状態が続いてしまいます。その結果、体が休息モードに切り替わりにくくなり、睡眠の質が低下してしまうのです。
スマートフォンなどのデバイスの使用
寝る前のスマートフォンやパソコンの使用は、画面から発せられるブルーライトが自然な眠気を促すメラトニンの分泌を妨げ、睡眠の質が低下します。
十分な睡眠時間を確保するためには、日々の生活習慣を見直し、睡眠の質を高める工夫が大切です。
睡眠の質を上げる方法については、下記の記事も参考にしてください。
睡眠の質を上げる方法!眠りが浅い原因と影響を解説
寝具が体に合っていない
寝具は睡眠の質を左右する重要なポイントです。枕やマットレスなどの寝具が体に合っていないと、体に負担がかかり眠りが浅くなります。
不適切な寝具は、体を回復させる上で重要なレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルを乱し、睡眠の質に悪影響を及ぼす可能性があるのです。
レム睡眠
夢を見る浅い眠りの時間。脳が活発に働き、記憶を整理したり感情を調整したりする役割があります。
ノンレム睡眠
深い眠りの時間。疲れを癒し、成長ホルモンを分泌して体を回復させます。
レム睡眠とノンレム睡眠がバランス良く繰り返されることで、質の良い睡眠が得られる仕組みです。
また、睡眠中には体温が下がります。これはノンレム睡眠(深い眠り)を維持するために、体内で熱を放出しているためです。
この仕組みを考慮し、寝具を選ぶ際はクッション性や硬さのほか、保温性や吸湿性・放湿性に優れた寝具を選ぶと快適な睡眠が得られるでしょう。
参考:「快眠のためのテクニック」(厚生労働省)
遺伝的要因
朝起きられないなどの目覚めの悪さは、遺伝的要因も深く関係しています。
朝型や夜型といった、人それぞれの睡眠や活動のリズムの傾向を示すクロノタイプは、研究によれば、20~50%が遺伝による影響を受けていることが分かっています。
例えば、朝型の人は早寝早起きが得意ですが、夜型の人は夜遅くまでの活動に適している反面、早朝の生活には適応しづらい傾向があります。
朝どうしても起きられないお悩みを持つ方は、一度自分のクロノタイプを調べてみるのがおすすめです。
国立精神・神経医療研究センターが提供している「朝型夜型質問紙」を活用すれば、自分に合った生活リズムを見つける手助けになります。
参考:Jones, Samuel E., Jacqueline M. Lane, Andrew R. Wood et al, 2019, Genome-wide Association Analyses of Chronotype in 697,828 Individuals Provides Insights into Circadian Rhythms, Nature Communications, 10, 343-347
年齢的な影響
目覚めが悪い原因の一つに、年齢による影響があります。
加齢に伴い、自然な睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌が減少しやすくなるのです。
メラトニンが減少すると深い眠りが妨げられ、スムーズな目覚めが難しくなります。
また、睡眠が浅くなると、夜中に目が覚める回数が増えたり、朝まで十分に眠れなかったりする状況が生まれます。このような状態が続くと、朝の目覚めが悪く感じられるようになるでしょう。
参考:「高齢者の睡眠」(厚生労働省)
朝起きられないのは病気の可能性もある

目覚めの悪さを感じる場合、単なる生活習慣の問題ではなく、病気が原因となっている可能性もあります。
原因に気づかず放置してしまうと、睡眠の質だけでなく日常生活全般にも影響を及ぼすことがあるため、注意が必要です。
目覚めの悪さに関わる可能性のある5つの病気について紹介します。
- 睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」
- 体内時計が乱れる「睡眠相後退症候群」
- 貧血のような症状の「起立性調節障害」
- 疲れが抜けない「慢性疲労症候群」
- 体のだるさを感じる「自律神経失調症」
睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に繰り返し呼吸が止まる症状です。
呼吸が止まると体内の酸素濃度が低下し、深い睡眠が妨げられるため、目覚めが悪くなるほか、集中力の低下や頭痛などの症状が見られる場合があります。
睡眠時無呼吸症候群の主な原因は、肥満や加齢、鼻詰まりなどです。
これらによって気道が圧迫され、呼吸が妨げられ、高血圧や心疾患、脳卒中、糖尿病などのリスクが高まるおそれがあります。早めの診断と治療が非常に重要です。
参考:「睡眠時無呼吸症候群/SAS」(厚生労働省)
体内時計が乱れる「睡眠相後退症候群」
睡眠相後退症候群は、体内時計のリズムが通常より遅れ、夜遅くまで眠れないため、朝の起床が難しくなる睡眠障害です。
多くの場合、夜遅くまで眠れず、午前3時から6時ごろになってようやく眠りにつくのが特徴です。
重要な予定がある日でも起きることが難しく、すっきりと目覚められないため、体調を崩すなど日常生活に深刻な影響を及ぼします。
睡眠相後退症候群は、思春期の若者に多く見られますが、大人が発症するケースも珍しくありません。
参考:「睡眠相後退(前進)症候群」(厚生労働省)
貧血のような症状の「起立性調節障害」
起立性調節障害は、自律神経系のバランスが崩れることで発症する病気です。
十分な血流が身体や脳に届かず、立ちくらみやめまい、朝起きられないといった身体症状が現れるほか、思考力の低下、慢性疲労、無気力などのさまざまな症状が見られます。
これらの症状は主に寝起きに強く現れ、午前中は思うように活動できない場合が多くあります。
一方で、午後になると症状が落ち着く傾向があるため、周囲から怠けていると誤解されるケースも少なくありません。
10〜16歳の子どもに多く発症し、適切な治療を継続すれば、高校卒業時頃には90%程度の症例で日常生活に支障をきたすことが少なくなります。
参考:「児童生徒の起立性調節障害症状」(厚生労働省)「起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation:OD)」(日本小児科学会)
疲れが抜けない「慢性疲労症候群」
慢性疲労症候群とは、体に異常がないにも関わらず、日常生活に支障をきたすほどの疲労感が長期間続く病気です。
十分な睡眠をとっても目覚めが悪く、微熱や頭痛、脱力感などが長期にわたって続きます。集中力や意欲の低下が生じ、日常生活に支障をきたすケースが少なくありません。
慢性疲労症候群の原因は、いまだ明確に解明されていません。現在進められている多くの研究では、ウイルス感染、免疫異常、ストレスなどが関係している可能性が示唆されていますが、これらを確実に裏付ける証拠は得られていないのが現状です。
参考:「「慢性疲労症候群」(Chronic Fatigue Syndrome ; CFS)について」(厚生労働省)
体のだるさを感じる「自律神経失調症」
自律神経失調症とは、ストレスによって自律神経のバランスが崩れ、体の機能が正常に働かなくなる状態を指します。
動悸、めまい、頭痛、腹痛、食欲不振、倦怠感などの症状が見られ、寝つきが悪くなったり深い眠りが妨げられたりするため、スムーズに目覚めるのが難しくなる場合があります。
その結果、十分な休息が取れず、慢性的な疲労感やだるさに悩まされるケースも少なくありません。
参考:「セルフメンタルヘルス」(厚生労働省)
寝起きを良くする方法

目覚めを良くするには、生活習慣や環境の見直しが大切です。
寝起きが悪いと感じるときに試したい対処法を下記に紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
- 朝日を浴びる
- 起きたら軽く体を動かす
- 起床後に水を飲む
- 決まった時間に起きる習慣をつける
- 寝る前の習慣を見直す
- 朝食を取る
- カフェインを上手に活用する
朝日を浴びる
起床後すぐに自然光を浴びると、体内時計がリセットされ、スムーズな目覚めが期待できます。
日中に日光を浴びると分泌されるセロトニンは、夜に自然な眠りを促す重要な役割を果たします。
セロトニンは、睡眠ホルモンであるメラトニンのもととなる物質であり、日光を浴びてから約13~15時間後にメラトニンが生成される仕組みです。
そのため、午前9時頃までに日光を浴びると、夜の21〜24時頃に自然と眠りにつきやすくなるでしょう。
特に夜型の生活で寝つきが悪い場合、起床時に朝の光を意識的に浴びると、生活リズムが整いやすくなります。
参考:「快眠と生活習慣」(厚生労働省)
起きたら軽く体を動かす

起床後の軽い運動は、体の血行が良くなり目覚めがスムーズになります。
体のめぐりが良くなると体を活発にさせる交感神経が活性化し、お休みモードから活動モードへと自然に切り替わるため、体が動きやすくなるのです。
ただし、寝起きは筋肉がこわばりやすいため、いきなり激しい運動を行うと体に負担をかけ、不調を引き起こす可能性があるため注意してください。
ウォーキングやストレッチなど、負担の少ない軽めの運動を取り入れるのがおすすめです。
参考:「セルフメンタルヘルス」(厚生労働省)
起床後に水を飲む
寝起きに飲む水には、自律神経のバランスを整える効果があります。
起床直後は、体をリラックスさせる副交感神経が優位な状態から、活動的な交感神経へと切り替わる時間帯です。この切り替えがうまくいかず、副交感神経が過度に低下すると、寝起きにイライラしやすくなるのです。
このイライラを和らげる方法として、コップ一杯の水が役立ちます。
胃や腸などの消化器官は副交感神経によってコントロールされており、朝に水を飲むことで消化器官が活発に動き、副交感神経が適度に刺激されます。
この働きによって、副交感神経の過度な低下を防ぎ、自律神経のバランスが整う仕組みです。
冷たい水は胃腸に負担をかけるため、常温の水や白湯がおすすめです。
決まった時間に起きる習慣をつける

毎日決まった時間に起きると、体内時計が整い、自然に眠くなる時間も定まりやすくなります。
睡眠には、浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」のサイクルがあり、約90分ごとに繰り返されています。
起床時間を一定にすると睡眠サイクルが安定し、スムーズな入眠や質の高い睡眠が促されるでしょう。
参考:「眠りのメカニズム」、「成人のためのGood Sleepガイド」(厚生労働省)
寝る前の習慣を見直す
目覚めを良くするためには、寝る前の習慣にも気を配りましょう。
睡眠の質を低下させる原因は、以下のようなものが挙げられます。
電子機器の使用
就寝前にスマートフォンやパソコン、テレビなどを使用すると、ブルーライトが交感神経を刺激し、入眠を妨げたり睡眠の質を低下させたりします。
寝る直前の飲食
就寝前に食事をすると胃腸が活発に働き、体が休まらず眠りを妨げます。特にカフェインやアルコールを含む飲み物は睡眠に影響を与えます。
ストレスや緊張
寝る前に考え事をしたりストレスを感じたりすると、副交感神経が働きにくくなり、リラックスできない状態が続いてしまいます。
睡眠の質を高めるには、リラックスできる習慣を取り入れるのがおすすめです。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かる、心地よい音楽を聴く、好きな香りを楽しむなどの行動も、心身を落ち着かせ、深い眠りへと導きます。
朝食を取る

人は睡眠中にもエネルギーを消費しているため、朝起きた時にはエネルギーが不足している状態です。
そのため、朝食を食べるとエネルギーが補充され、体温が上がり体が目覚めやすくなります。
さらに、栄養バランスの整った朝食を摂ると脳が活性化し、一日をより活動的に過ごせるようになるでしょう。
朝食をしっかり食べるためには、前日の夕食の時間に注意してください。
夕食が遅くなると、朝になっても空腹を感じず、朝食を抜く原因になってしまいます。
参考:「生活リズムをととのえる」(農林水産省)
カフェインを上手に活用する
コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインの効果をうまく活用しましょう。
カフェインには、覚醒を促す効果があります。そのほか、集中力を高めたり、仕事のパフォーマンスを向上させたりするなど、一日の始まりをスムーズにする働きが期待できます。
ただし、過剰に摂取すると体に負担をかける可能性があるため、飲み過ぎには注意してください。一日のコーヒー摂取量は、マグカップ3杯程度が適量とされています。
カフェインについてより詳しい情報を知りたい方は以下の記事も参考にしてください。
カフェインの効果を解説!効果的な量やデメリット、カフェイン断ちについて解説
参考:「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」(厚生労働省)
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目覚めを良くするためには、自分なりのリフレッシュ方法を見つけるのも効果的です。
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