禁煙に成功した方を対象に、タバコをやめるきっかけとなった一言について独自調査を行いました。

大切な人にタバコをやめてほしいと願う方に向けて、効果的な言葉がけのヒントをご紹介します。

さらに、禁煙後に感じた身体的・精神的な変化について、リアルな体験談もあわせてお届けします。禁煙を決意した具体的な体験談が役立つはずです。

禁煙成功者に聞いたタバコをやめるきっかけとなった一言とは？

禁煙に成功した人を対象に、タバコをやめたい気持ちになった言葉について、アンケート調査を行いました。

実際の体験に基づく回答は非常に説得力があり、禁煙のモチベーションを高めるために役立つでしょう。以下の5つの視点から解説します。

• タバコの害を伝える言葉
• お金の負担について指摘する言葉
• 流行や周囲の変化を用いた言葉
• その人に響きそうな言葉をかける
• 代わりのものを提案する言葉

タバコの害を伝える言葉

タバコによる健康被害を心配する言葉が、禁煙を決意するきっかけになったという声が多く寄せられています。

また、医師から禁煙を勧められ「自分の健康を守りたい」という危機感が禁煙成功の原動力になったという意見もありました。

タバコには、タールやニコチンなど多くの有害物質が含まれており、喫煙者が将来何らかのがんにかかるリスクは非喫煙者と比べて、男性は1.6倍、女性は1.5倍と高くなっています。

2024年に発表された喫煙による年間超過死亡数は12～13万人に上ると報告されています。

受動喫煙による年間死亡数も約1万5000人とされており、喫煙の健康への影響は喫煙者本人だけでなく、周囲の人々にも深刻なリスクをもたらしていることが明らかです。

タバコの健康被害についてより詳しい情報を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
タバコにメリットはある？喫煙のデメリットや禁煙のメリットについても解説

参考：「たばこの健康影響」「日本では受動喫煙が原因で年間1万5千人が死亡」（厚生労働省）「たばことがん」、「多目的コホート研究の成果（2016年12月）」（国立がん研究センター）

お金の負担について指摘する言葉

タバコがどれほど金銭的な負担をもたらすかを伝えたことが、禁煙のきっかけになったという方も多く見られました。

タバコの価格は年々上昇しており、2026年4月には加熱式タバコ1箱あたり数十円のたばこ税増税が予定されています。

さらに、2027年4月からはタバコ全体の税率引き上げが検討されており、政府による議論が進められているのが現状です。

経済的な負担の大きさに気づき、禁煙を決意する人も少なくありません。

アンケートの回答には、「これだけの金額があれば他のものが買える」と実感し、禁煙に踏み切ったという声も多く寄せられています。

1箱580円のタバコを1日1箱のペースで吸った場合、年間で21万1,700円の出費となります。経済的な負担は決して軽くありません。

タバコにかけている金額を具体的に計算し、それを他の用途に置き換えて想像すれば、禁煙へのやる気にもつながるでしょう。

参考：「令和７年度税制改正の大綱」（財務省）

相手に響きそうな言葉をかける

タバコに対する社会の変化や周囲の反応、さらには相手の立場を考えた指摘が、禁煙を後押しするきっかけになったという声が最も多く寄せられていました。

近年、健康志向が高まる中、日本でも喫煙対策が進んでいます。平成30年7月には、周囲の人への副流煙による悪影響を防ぐため、「改正健康増進法」が施行されました。

公共の場での喫煙がさらに厳しく制限され、多くの施設で全面禁煙や分煙が義務付けられるようになっています。

このような状況を背景に、「吸える場所も少なくなってきたし、やめてみたら？」といった言葉が、禁煙を後押しするきっかけになるかもしれません。

また、タバコの臭いや家族への影響といった、相手の心に響きそうなポイントに触れる言葉を選ぶことも効果的です。

参考：「受動喫煙対策」（厚生労働省）

代わりのものを提案する言葉

タバコに含まれるニコチンには強い依存性があり、意志だけでやめるのは簡単ではありません。

そのため、吸いたくなったときに代わりとなるものを用意する対策で、禁煙への取り組みをサポートできるでしょう。

例えば、禁煙の離脱症状を和らげるニコチンガムやニコチンパッチなどの禁煙補助薬を活用するのも1つの方法です。

さらに、代替案とは異なりますが、「タバコがなくても生きていける」というタバコに対する根本的な考え方の見直しが、禁煙を後押しするきっかけとなったケースもあります。

「タバコがなくては生きられない」という固定観念を本人に見直すよう促すのが、禁煙への第一歩となります。

タバコをやめさせるポイント

禁煙を成功させるには、本人の強い意志が欠かせません。しかし、単に「やめる」と意気込むだけでは難しいのが現実です。

タバコをやめさせるためには、吸いたくなる場面や状況をあらかじめ把握し、それに応じた対策を事前に準備するのが大切です。

禁煙に失敗する3つの要因について紹介します。これらをあらかじめ理解し、禁煙成功率を高めましょう。

「喫煙トリガー」を避ける環境を作る

喫煙を誘発する要因は人それぞれ異なります。
コーヒーやお酒、灰皿、喫煙者の近くなど、タバコを吸いたくなるきっかけが身近にあると、禁煙の継続が難しくなる場合があります。

▼解決方法
相手にとって喫煙トリガーとなりそうな物や状況があれば、できるだけ避けられる環境を整えてあげましょう。
例えば、コーヒーがトリガーなのであれば、代わりにハーブティーを飲む、喫煙していた時間は散歩に誘う、などが効果的です。

「1本だけお化け」の誘惑に注意

禁煙中に「1本くらいなら大丈夫」と考えるのはよくある誘惑です。
特に禁煙が順調に続いているときほど、この考えに負けやすくなります。
しかし、1本吸ってしまうと元の状態に戻りやすく、禁煙の継続が難しくなります。

▼解決方法
タバコを吸いたい衝動が起きたら、別の行動で気を紛らわせるのがおすすめです。
例えば、吸いたくなったら「ガムを噛む」「深呼吸をする」など、事前に代替行動を決めておく「if-thenルール」を提案してみましょう。

このルールを繰り返すことで、衝動をコントロールしやすくなります。
サポートする際には、相手が取り組みやすい行動を一緒に考えるなど、協力的な姿勢を見せることで大きな励みになります。

「もうどうにでもなれ」に陥った場合は励ます

もし誘惑に負けて1本吸ってしまった場合、「どうせ禁煙なんて無理だ」と投げやりな気持ちになり、自制心が崩れることがあります。
この状態になると自己嫌悪に陥り、禁煙への意欲が大きく低下するおそれがあります。

▼解決方法
1本吸ってしまったとしても、「これは失敗ではなく過程の一部」と前向きに励ましましょう。
失敗を責めるのではなく、再び禁煙をスタートする良いきっかけだと伝えることが大切です。

タバコの代わりとなるアイテムや具体的なサポート方法について詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
タバコの代わりになるものには何がある？禁煙・節煙にも活用できる人気アイテムや行動を調査！

参考：厚生労働省e-ヘルスネット｜禁煙を開始する方のご家族へ-上手なサポートを教えます

タバコをやめられた人の体験談

タバコをやめると身体面と精神面にどのような変化があるのか、アンケート結果をもとに紹介します。

実際に禁煙に成功した方々の体験談を知ると、禁煙へのモチベーションを高めるきっかけになるはずです。

禁煙をサポートする際には、これらの変化や成功体験を共有すれば、相手の背中を押す大きな助けになるでしょう。

身体面での変化

タバコをやめた結果、「呼吸が楽になった」「運動がしやすくなった」など、体の活力が増したという声が多く寄せられています。

さらに、「食事が以前より美味しく感じられる」と、味覚の変化を実感する方も少なくありません。

また、体調の改善に伴い、「顔色が明るくなった」「肌の調子が良くなった」など、外見の変化を感じた方も多く見られます。

これらの禁煙による効果は、健康面だけでなく、見た目にも良い影響があるようです。

精神面での変化

タバコをやめた際に感じた精神面の変化として、「イライラがなくなった」「タバコが切れたときの不安から解放された」といった声が多く寄せられています。

禁煙初期は、離脱症状の影響で一時的にイライラや落ち着かない状態になりやすいですが、時間とともに気持ちが安定していきます。

こうした離脱症状への対策として、ニコチンパッチやニコチンガムなどの禁煙補助薬を活用するのも効果的です。

参考：「たばことストレス」（厚生労働省）

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