タバコを吸ったときにしゃっくりが出るのは、喫煙によって肺や気道が刺激されることに加え、ニコチンが脳や神経の働きに影響を与えることが原因です。

一時的なしゃっくりで済むこともありますが、頻繁に繰り返す場合は病気のサインである可能性もあるため注意が必要です。

この記事では、タバコとしゃっくりの関係、考えられる原因、効果的な対処法、そして注意すべきリスクについて詳しく解説します。

タバコを吸うとしゃっくりが出るのはなぜ？

タバコを吸った直後にしゃっくりが出た経験がある方も多いのではないでしょうか。

実は、喫煙にはしゃっくりを引き起こすいくつかの要因が含まれています。主な原因は以下の3つです。

• タバコの煙が横隔膜を刺激するため
• ニコチンが神経を興奮させるから
• 寒い場所での喫煙による温度変化によるもの

タバコの煙が横隔膜を刺激するため

しゃっくりは、横隔膜が刺激を受けて痙攣し、声帯が閉じることで「ヒック」という音が出る現象です。原因には食べすぎや刺激物の摂取のほか、タバコの煙による刺激もあります。

タバコを吸うと、肺や気道まわりの神経が刺激され、さらに煙が食道や胃の入口に触れることで、横隔膜を動かす「横隔神経」も間接的に刺激されます。

その結果、横隔膜が痙攣し、しゃっくりが起こるのです。

特に、一度に多くの煙を吸い込んだり、短時間で何本も続けて吸うと、しゃっくりが出やすくなるため注意が必要です。

ニコチンが神経を興奮させるから

タバコの煙に含まれるニコチンは、脳や神経（中枢神経）の働きに影響を与える成分です。

なかでも、横隔膜の動きを調整する「迷走神経」や「横隔神経」が刺激されると、横隔膜が不規則に動き、しゃっくりが起こりやすくなります。

ニコチンの摂取量が増えるほど神経が興奮しやすくなり、しゃっくりが出る可能性も高まります。

さらに、ニコチンには「もっと吸いたい」と感じさせる作用があるので、喫煙回数が増えやすくなり、それに伴いしゃっくりも繰り返し起こりやすくなるのです。

寒い場所での喫煙による温度変化によるもの

寒い場所でタバコを吸うと、しゃっくりが出やすくなることがあります。

これは、冷たい外気と温かい室内との急激な温度差が、気道や横隔膜まわりの神経を刺激し、しゃっくりを引き起こすためです。

さらに、寒さで筋肉がこわばっていると、横隔膜が刺激に対して敏感になり、わずかな変化でも痙攣しやすくなります。

しゃっくりが止まらないときの対処法

しゃっくりが止まらない場合、以下のような対処法を実践してみましょう。

• 息を止める・息を吐ききる
• 冷たい水を少しずつ飲む
• 耳に指を入れて刺激を与える

息を止める・息を吐ききる

しゃっくりの原因は、横隔膜の痙攣による収縮です。横隔膜の痙攣を抑えるには、血液中の二酸化炭素の濃度を一時的に高めることが効果的とされています。

脳の呼吸中枢は二酸化炭素の量に反応して呼吸のリズムを調整しており、濃度が上がると横隔膜の動きも整いやすくなります。

そのため、深く息を吸って吐き切る呼吸法を繰り返すと、血中の二酸化炭素が一時的に増え、脳が横隔膜の動きを正常なリズムに戻そうと調整するのです。

結果的に痙攣が鎮まり、しゃっくりが治まりやすくなります。

以下の呼吸法を実践してみてください。

1. 10秒かけて息を吸い込む
2. 10秒間息を止める
3. 10秒かけて息を吐ききる

呼吸を無理に長く止めようとすると酸欠のリスクもあるため、無理せず実践しましょう。

冷たい水を少しずつ飲む

冷たい水は、食道や喉に適度な刺激を与え、横隔膜の動きをリセットする効果が期待できます。

少しずつゆっくり水を飲むと、呼吸に関わる神経がやさしく刺激され、横隔膜の動きが落ち着き、自然としゃっくりも治まりやすくなります。

コップ一杯の水をゆっくり時間をかけて飲む程度にとどめておくのがポイントです。

耳に指を入れて刺激を与える

耳の内側には、横隔膜の動きに関係する「迷走神経」が通っており、耳の穴の入口付近を刺激するとしゃっくりを落ち着かせることができます。

両耳に指を入れ、鼓膜の方向にやさしく圧をかけてください。

強く押し込む必要はなく、外耳道を軽く刺激する程度でOKです。30〜60秒ほどやさしく続けることで、効果が期待できます。

しゃっくりが2日間以上続くときは病気の可能性もある

通常のしゃっくりであれば、数分から数時間のうちに自然と治ることがほとんどです。 しかし、しゃっくりが2日（48時間）以上続く場合は「持続性しゃっくり」と呼ばれ、医療機関で診察を受けることが推奨されます。

持続性しゃっくりの背景として、脳や神経、胃、食道などに何らかの異常や病気が隠れている可能性も考えられるためです。

持続性しゃっくりの原因となる主な基礎疾患には、以下のようなものがあります。不安な方は、参考にしてください。

また、持続性しゃっくりに該当しない場合でも、しゃっくりが何度も繰り返し起こる、あるいは頭痛やしびれといった神経症状を伴う場合は、念のため医療機関を受診することをおすすめします。

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